2016.12.6
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再生計画に基づいて返済中に、病気で長期間入院することになったり、会社をリストラされたり、やむをえない事情が発生することも考えられます。
そこで、あなたの責任によらない事情により、債権者への支払いが著しく困難になってしまった場合は一定の要件を満たしていれば、再生計画で定めていた期限から2年を超えない期間に限り再生計画を変更して債権者への支払いの期間を延長してもらうことができます。
支払い期間を延長してもらうためには、個人民事再生を申立てた裁判所に、再生計画変更の申立てを行い、債権者の意見を聞いたうえで、裁判官が判断します。
なお、再生計画を変更して支払い期間を延長したとしても返済を続けていくことが難しい場合は、残債務の支払を免除してもらうハードシップ免責という制度を利用するという方法もあります。
◆ハードシップ免責制度
再生計画に基づく返済の途中で、やむえない事情で支払いを続けていくのが厳しくなった場合に、借金の残高を免責=免除してもらえる制度があります。
この救済制度をハードシップ免責といいます。ただし、再生計画を変更し、支払い期間を延長することによって返済を続けていくことができる場合には利用することはできません。
つまり、よほどの場合にしか許されない最後の手段ということです。
民事再生認可後、再生計画を遂行中に支払いが極めて困難になった場合、下記の要件すべてを満たしていれば、ハードシップ免責の申立てを行うことができます。
<ハードシップ免責を申し立てるための要件>
◆再生計画で定めた、支払うべき借金のうち、すでに4分の3以上を返済していること
◆ハードシップ免責の決定をすることが、債権者の一般の利益に反しないこと
(清算価値保障の原則)再生計画を変更しても、支払いを続けていくことが極めて困難であること
ハードシップ免責の制度を利用するためには、個人再生の申し立てをした裁判所に、支払いを続けていくことが極めて困難であることを証明する書類を添付し、免責申立書を提出します。
裁判官は申立書に記載した事情などを考慮し、債権者の意見を聞いたうえで、免責すべきか否かを決定します。なお、ハードシップ免責が認められ、借金の残高が免除されたとしても、住宅資金特別条項で定めた住宅ローンについては免責されません。つまり、住宅ローンは今までどおり支払いを続けていくことになります。