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任意売却や債務整理を検討しているとよく出てくるワードとして「期限の利益」や「期限の利益の喪失」というものがあります。この言葉の意味を徹底解説します。
期限の利益とは?
期限の利益とは、契約で定められた期限が到来するまでは返済する義務が生じず、金融機関なども請求する事ができないという事を言います。
例えば、1年後に返済するという契約をしたにもかかわらず、翌月に請求されてしまったらお金を借りた債務者は困ってしまうかもしれません。そういったことが無いよう、契約で定められた期限は債務者の利益、権利として民法135条や136条を根拠に保護されています。
そして、この「期限の利益」は債権者の利益を害さない限り放棄することも認められています。ところが、「債権者の利益」には、ローンなどを期限まで借りていた場合に得られたはずの金利なども含まれています。住宅ローンなどの繰り上げ返済に手数料がかかったりするのは、債権者の利益を確保する狙いがあるということです。
期限の利益の喪失とは
期限の利益の喪失とは、文字通り期限の利益を受けられなくなることを言います。
民法137条では、以下の場合に期限の利益を主張することができないとされています。
- 一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
- 二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
- 三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
ところが、この条項だけでは債権者が負うリスクが大きすぎるため、これに加えて支払いが遅れた場合や契約内容に偽りがあった等の事由に該当する場合に期限の利益を喪失するという「期限の利益の喪失条項」を契約書で定めている場合が殆どです。
期限の利益を喪失すると、残債の一括返済を求められます。実際には、数日遅れた程度で一括返済を求められることは殆どありませんが、金融機関はその権利を持っているということは知っておいた方が良いでしょう。
期限の利益喪失通知や予告が来たらどうすれば良い?
期限の利益を喪失すると、担保を売却し速やかに残債を支払わなければなりません。
その物件を売却しても債務が残ってしまう「オーバーローン」の場合は任意売却、売却価格が残債を上回る「アンダーローン」の場合は速やかに売却して返済をすることがおすすめです。放置しておくと、担保となっている自宅などが差押えられ、競売に出されてしまう事となるからです。
もし、期限の利益喪失予告や喪失通知が来た場合は放置せずに次の手を早めに打ちましょう。
NPO法人リーガル倶楽部では任意売却などの相談を無料でお受けしています。競売のこと、任意売却のこと、住宅ローンの事で不安を抱えているという方は、お気軽にお問い合わせください。
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