2017.9.1
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所有名義は、住まいなど不動産を購入した際その物件が誰のものであるか登記している名義を指します。一人ならば単独名義、夫と妻など二人以上ならば共有名義となります。共有名義では夫・妻がそれぞれ住宅ローンを組むこともありますし、収入を合算して1本の住宅ローンを組む場合もあります。どちらの場合でも、金融機関は二人の収入を合わせた支払能力を見てお金を貸しています。
所有名義はローンが残っていても共有名義から単独名義に変更することは可能です。しかし、住宅ローンは銀行(債権者・抵当権者)と住宅ローンの申込人(債務者)の間で交わされた契約なので、債権者の審査・承諾なしに名義を変更したり、いずれかの名義をはずしたりすることはできません。
夫婦共有名義のローンを組んでいるということは、夫婦の収入を合算した分に対して金融機関が融資可能と判断し、ローン審査が通っているためです。
つまり名義人のどちらかを外して単独名義にすると収入合算に達しなくなるので、債権者側から見ればローン残金の回収ができなくなることを意味するので、単独名義への変更を承諾できないのです。
このように、住宅ローンの名義変更はたとえ離婚が理由であっても難しいものです。
ただしまったく出来ないということはありません。これから名義変更を行う際の方法をご説明します。
住宅ローンの組み換えを行う単独名義にする方法
共有名義からどちらか一方だけの住宅ローンに変更するには、名義人となる一方の収入が住宅ローンを借り入れた時に比べて大幅に増加している必要があります。今までは二人の収入で補っていた住宅ローンの返済を一人でも可能となることが前提となるためです。
住宅ローンを繰り上げ返済して単独名義にする方法
多額の繰り上げ返済を行って住宅ローンの残高が少なくなれば、その分毎月の返済額を減らすことができます。夫婦二人の住宅ローンが同じ比率であれば、残債務の半分を返済することで住宅ローンの名義をどちらか一方にだけすることができる可能性があります。ただし、多額の現金が必要となる方法です。
他の人に住宅ローン名義を変更する方法
ご兄弟やご両親に住宅ローンの返済をお願いするケースです。あまり一般的な方法ではありませんが、住宅ローンの繰り上げ返済をしても連帯保証人から外れることができない場合などに利用する方法です。例えば、夫婦二人で50%ずつ住宅ローンを組んでいて、夫が親から借りたお金で自分の住宅ローンを全額返済しても、妻の収入だけでは住宅ローン返済が難しい場合、妻の親や兄弟が住宅ローンの名義人になるケースなどです。
住宅ローンの名義変更はそう簡単ではないことをご理解いただけたと思います。
ローンが払えないとなれば不動産を売却することも選択肢のひとつとして考えてみましょう。